概要 異形工具とは、標準的な形状ではなく、特殊な加工や用途に合わせて設計・製作された工具のことを指します。特に金型製作や鍛造、プレス加工などの分野において、通常の円柱形状や一般的な断面では対応できない複雑な形状・機能を持つ工具が求められる場面で使用されます。 異形工具の特徴 【カスタム形状】 六角・八角・楕円・スプライン・ギヤ形状など、素材や製品に応じて任意の断面形状を持たせることが可能です。 【...
概要 NC旋盤(Numerical Control Lathe)とは、コンピュータで制御された旋盤のことです。 主に「回転させた素材に対してバイトと呼ばれる刃物を押し当てて切削」し、円筒形状の部品を高精度に加工します。 従来の手動操作ではなく、数値プログラム(NC)によって自動で加工が行えるのが特徴です。 金型・鍛造業での活用シーン パンチピンやノックアウトピンなどの丸物部品の加工 金型部品の外径...
概要 円筒研削盤とは、回転する砥石(といし)を使って、素材の外径を高精度に削る研削加工機です。 素材を回転させながら、砥石を当てて滑らかに削っていきます。 旋盤では出せないμm(ミクロン)単位の精度が出せるため、最終仕上げ工程でよく使われます。 金型・鍛造業での活用シーン パンチピン・ノックアウトピンなどの外径仕上げ スリーブやシャフト部品の寸法調整 熱処理後の変形修正や公差調整 焼き入れ済み素材...
概要 金型(かながた)とは、金属や樹脂などの素材を、特定の形に成形・加工する為の「型」のことです。 大量生産や高精度な製品の製造に欠かせない存在で、製造業の土台を支える非常に重要な要素です。 金型の役割 金型は、製品の形状・寸法・精度を決定づけるツールです。 プレス加工・鍛造・射出成形・ダイカストなど、様々な成形方法で用いられます。 素材を所定の形に加工する 繰り返し同じ品質で製品を生産できる 生...
概要 コーティングとは、金型や工具の表面に特殊な皮膜を施す処理のことを指します。 目的は、摩耗の抑制、耐熱性の向上、焼き付き防止、潤滑性の確保など。 とくに冷間鍛造やプレス加工のような高負荷・高圧の加工現場では、金型の寿命や製品の品質を大きく左右する重要な工程です。 金型におけるコーティングの役割 【摩耗の軽減】 金属どうしが擦れ合うことで生じる摩耗を防止し、金型寿命を延ばします。 【離型性の向上...
概要 コントレーサーとは、主に金属部品や金型などの「輪郭形状(プロファイル)」を高精度に測定する装置です。 特に、曲面や段差、斜面のある複雑な加工形状に対し、形状精度や寸法の確認を行うために使われます。 金型製作や冷間鍛造においては、パンチ・ダイなどの工具形状の品質管理に欠かせない検査機器のひとつです。 測定対象となる形状 内外径の段差やテーパ 曲面(R部) 階段形状、肩部 V字溝、キリ穴周辺のエ...
概要 画像寸法測定器とは、CCDカメラや光学レンズを使用し、部品や製品の寸法を非接触かつ高速で測定できる装置です。 機械加工部品・プレス品・鍛造品・樹脂部品など、さまざまな対象に対して、「寸法・角度・形状」を瞬時にデジタルで測定・記録することが可能です。 特徴とメリット 【非接触測定】 接触式と違ってワークを傷つけずに測定可能 【高速測定】 数秒〜数十秒で複数箇所の寸法を一括取得 【誰でも簡単に操...
概要 硬度計とは、金属や樹脂などの材料に対して「どれだけ硬いか(変形しにくさ)」を数値で測定する装置です。 金型や鍛造部品の品質を左右する素材の耐久性・摩耗性の管理において重要な検査機器となります。 「硬度」とは? 硬度とは、外からの力に対して材料がどれだけ変形しにくいかを表す指標です。 たとえば、パンチやダイなどの金型部品は、繰り返し大きな圧力が加わるため、高い硬度が必要です。 金型・鍛造業での...
概要 三次元座標測定機(CMM)とは、X・Y・Zの3軸方向の寸法を高精度で測定できる装置です。 接触式または非接触式のプローブ(測定針やレーザー)を使い、対象物の形状や位置関係を数値化して、立体的な寸法測定を行います。 金型や鍛造品など、高精度が要求される工業製品の検査・品質管理に不可欠な設備です。 使用されるシーン(例) 金型部品の形状精度チェック 鍛造製品の公差・寸法検査 初品検査や出荷前の最...
概要 ダイとは、プレス加工や鍛造加工において、素材を成形するための「受け側の型部品」です。 主に金型の下側(固定側)に取り付けられ、上側のパンチと一対で使用されます。 加工時には素材を受け止めながら、形状や寸法を決定する役割を担います。 ダイの役割 ダイは、製品の形を「受け止めてつくる」役目を果たします。 具体的には次のような役割があります 素材の変形をガイドする(穴形状、押し出し形状など) パン...
概要 「逃がし」とは、加工時に発生する不要な応力・干渉・バリなどを逃すために、金型や製品形状にあらかじめ設ける空間や加工処理のことです。 金型設計や鍛造加工、切削加工などさまざまな製造工程で使われる概念で、工具の破損防止・加工精度の確保・製品の機能維持などのために非常に重要な技術的配慮です。 「逃がし」の効果 加工では金属を変形させたり削ったりする際に、次のようなトラブルが起こりやすくなります 金...
概要 ノックアウトピンとは、金型から加工済みの製品(ワーク)を押し出して取り出すための部品です。鍛造やプレス、射出成形などの工程において、金型内に残った製品をスムーズかつ正確に排出する役割を担います。 打ち抜きや成形が完了したあと、ワークは金型内に密着してしまうため、ノックアウトピンによって確実に取り出すことが不可欠です。 ノックアウトピンの役割 金型内に残ったワークを排出する/li> 成形品の変...
概要 ナットフォーマーとは、ナット(六角ナットやフランジナットなど)を大量かつ高速に成形するための冷間鍛造機械です。 鋼線などの材料を順次切断し、複数のステージを通じて金型によって段階的に成形し、最終的に高精度なナット形状へ加工するのが特徴です。 冷間鍛造によって素材を塑性変形させるため、切削加工に比べて材料の無駄が少なく、高強度な製品が得られます。 ナットフォーマーの構造と仕組み ナットフォーマ...
概要 内面研削盤とは、砥石を回転させて、部品の内側(内径)を高精度に削る研削加工機です。 主に、パイプ状や筒状の部品の内径をμm単位で仕上げるために使われます。 穴の真円度、寸法精度、内面の滑らかさなどを追求したい場合に活躍します。 金型・鍛造業での活用シーン スリーブやブッシュの内径仕上げ ダイ部品の穴径調整や真円修正 圧入部品の内径精度の確保 焼き入れ後の内面仕上げ加工 特徴と利点 【高い内径...
概要 パンチとは、プレス加工や鍛造などで素材に力を加え、穴あけや形状の成形を行うための「突き出し工具」です。 一般に金型の上側(可動側)に取り付けられ、下側の「ダイ(Die)」と組み合わせて使用されます。 製品形状の精度や仕上がりを大きく左右する重要な部品です。 パンチの役割 パンチは、素材に対して直接圧力をかけて成形するため、以下のような役割を担います。 ・穴あけや抜き加工(せん断) ・塑性変形...
概要 フォーマー金型とは、「ナットフォーマー」や「ボルトフォーマー」と呼ばれる鍛造機械に取り付けられ、金属材料を連続的に成形するための専用金型です。 フォーマー機は、材料の切断 → 加圧 → 成形 → 切削仕上げまでを自動・高速で行う生産設備で、自動車部品や建築金物、機械要素部品などの量産成形に最適な設備です。 フォーマー金型はこの機械の心臓部であり、高精度・高耐久が求められる重要部品です。 フォ...
概要 プレス金型とは、プレス機械に取り付けて金属板材などを「打ち抜き」「曲げ」「絞り」などの加工によって、目的の形状に成形するための金型です。 自動車部品、家電部品、建材、電子部品など幅広い分野で活用されており、板材加工の中心的な金型技術として、日本の製造業を支える重要な存在です。 プレス金型の特徴 【板金加工に特化】 主に金属の板材を加工対象とし、「切断」「穴あけ」「曲げ」「成形」「絞り」などの...
概要 パンチピンとは、金型内で材料を打ち抜いたり、成形を行うための「突き出し工具」の一種で、特に冷間鍛造やプレス加工、精密成形において用いられる重要な部品です。 「パンチ」と呼ばれることもありますが、より小径・高精度な用途に使われるものを区別して「パンチピン」と呼ぶことが多く、製品形状や仕様に応じて、様々な形・サイズ・材質で製作されます。 パンチピンの役割 材料を打ち抜く(穴あけ) ワークの一部を...
概要 ボルトフォーマーとは、ボルトを冷間鍛造によって大量生産するための多段式鍛造機械です。 材料(主に鋼線)を自動で切断し、複数の成形ステージを経て、頭部(ヘッド)や軸部を含むボルトの形状を連続的に成形します。 切削加工と異なり、材料を変形させて形を作るため、材料ロスが少なく、強度にも優れたボルトが製造可能です。 ボルトフォーマーの加工工程(一般的な流れ) 材料供給(鋼線の巻き取り or 束供給)...
概要 投影機とは、ワーク(部品)に光を当ててその輪郭をスクリーン上に拡大投影し、寸法や形状を測定・確認するための装置です。 別名「光学式プロファイルプロジェクター」とも呼ばれ、視覚的に寸法確認ができる検査機器として、長年にわたり製造業で活用されています。 主な機能・特徴 【拡大表示】 通常10倍、20倍、50倍などの倍率で投影可能 【非接触測定】 ワークに直接触れずに測定できるため、傷をつけない...
概要 フライス盤とは、回転する工具(フライス)を使って金属などの材料を削る工作機械です。 平面・溝・段差・曲面など、多様な形状の加工が可能で、金型や機械部品の加工に広く使われています。 金型・鍛造業での役割 金型の製造においては、フライス盤は次のような用途で活躍します ・材料の荒取り加工(ラフカット) ・プレートの寸法合わせや溝加工 ・部品の仕上げや細部調整 ・試作や一点ものの加工 フライス盤の特...
概要 汎用旋盤とは、作業者が手動で操作して金属などの素材を削る工作機械です。 回転させた素材にバイト(刃物)を当てて、円筒形やテーパー形状などを加工します。 「汎用」とあるように、特定の製品専用ではなく、幅広い加工が可能な基本的な機械です。 金型・鍛造業での役割 NC旋盤やマシニングセンターの導入が進む中でも、汎用旋盤は次のようなシーンで重宝されています ・試作加工・単品加工 ・治具や補助パーツの...
概要 平面研削盤とは、砥石を使って素材の平らな面を高精度に削る研削加工機です。 素材をテーブルに固定し、回転する砥石を当てて、平面をミクロン単位で研磨します。 金属表面の微細な凹凸を取り除いて、寸法精度と表面の美しさを追求できるのが特長です。 金型・鍛造業での活用シーン ・ダイ(型)のベースやプレートの仕上げ ・金型の合わせ面の精密調整 ・パーツの厚みや段差の微調整 ・熱処理後の変形を補正する精密...
概要 細穴放電加工機とは、放電の力を使って金属に極小の深い穴をあける加工機です。 ワイヤー放電加工機と同じ「火花放電」を利用していますが、 こちらは細く中空の電極(銅や真鍮)を高速で回転させながら、穴あけに特化しています。 金型・鍛造業での活用シーン ・ワイヤーカットのスタート穴の加工 ・パンチやダイのガス抜き穴や潤滑穴の形成 ・工具の冷却穴(クーラントホール)の加工 ・超硬材や焼入れ鋼への穴あけ...
概要 マシニングセンターとは、コンピュータ制御によって自動で金属などの加工を行う多機能な工作機械です。 フライス削り・穴あけ・タップ加工・ネジ切りなど、複数の加工を一台で連続的に行えるNC(数値制御)工作機械の一種です。 金型・鍛造業での役割 金型製造では、素材に対して高精度な切削加工を行う工程が不可欠です。 マシニングセンターは、以下のような用途に活用されています 金型のキャビティ・コアの加工...
概要 冷間鍛造とは、金属を常温のまま強い圧力で塑性変形させ、目的の形状に成形する加工方法です。 塑性(そせい)加工の一種で、切削を行わずに形を作る「塑性加工=成形加工」の中でも、 室温付近(冷間)で行う鍛造を指します。 冷間鍛造の特徴 【高精度な仕上がり】 常温加工のため、寸法精度が高い。仕上げ加工不要な場合も 【高い材料利用率】 切削がないため、廃材がほぼ出ず歩留まりが非常に良い 【表面硬化効果...
概要 レーザーマーカーとは、レーザー光を使って金属や樹脂などの表面に、文字・番号・ロゴ・QRコードなどを非接触で刻印(マーキング)する装置です。 熱や反応を利用して素材表面を変化させるため、削ることなく高精度・高耐久のマーキングが可能です。 なぜ金型・鍛造業界で使われるのか? 金型や鍛造部品は、製品ごとに微妙に仕様が異なるため、識別管理のためのマーキングが欠かせません。 以下のような用途で使われま...
概要 ワイヤー放電加工機(Wire EDM:Electrical Discharge Machining)とは、電極として使う細いワイヤーに高電圧をかけ、金属を放電によって削る加工機です。 切削ではなく、火花放電による「溶融・蒸発」で金属を削るため、硬い素材でも精密な形状が加工可能です。 「ワイヤーカット」とも呼ばれ、精密金型や部品の輪郭加工、複雑形状の抜き加工に使われます。 金型・鍛造業での活用...