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概要
パンチとは、プレス加工や鍛造などで素材に力を加え、穴あけや形状の成形を行うための「突き出し工具」です。
一般に金型の上側(可動側)に取り付けられ、下側の「ダイ(Die)」と組み合わせて使用されます。
製品形状の精度や仕上がりを大きく左右する重要な部品です。
パンチの役割
パンチは、素材に対して直接圧力をかけて成形するため、以下のような役割を担います。
- ・穴あけや抜き加工(せん断)
- ・塑性変形による成形(曲げ・押し出しなど)
- ・冷間鍛造における形状付け
そのため、加工用途や形状に応じて多種多様なパンチが存在し、金型の中でも特に消耗しやすく、交換頻度の高い部品でもあります。
パンチの役割
【パンチの種類】
特徴・用途
【丸パンチ】
一般的な丸穴用。量産向けに多用される
【異形パンチ】
六角、四角、特殊形状など。ナットやボルト成形用
【中空パンチ】
中が空洞になった形状。軽量化や特殊成形に対応
【段付きパンチ】
複数径の形状を一体で成形。工程短縮に有効
パンチに求められる性能
- ・高硬度・高靭性:摩耗や破損を防ぐため、超硬合金や高速度鋼(HSS)などが使われる
- ・高精度加工:ミクロン単位での寸法精度が必要
- ・表面処理:TiN、TiAlNなどのコーティングで耐摩耗性を向上
- ・脱着性の工夫:メンテナンス性を考慮した構造(例:パンチホルダー)